いつものように娘を駅まで送る車の中で、BBC Global News Podcastを聞いていたら、佐川眞人さんという方が、エリザベス女王工学賞を受賞したというニュースを取り上げていました。
実際の音声はこちら↓ 該当のニュースだけ抽出しました。
エリザベス女王工学賞とは
Wikipediaによると
エリザベス女王工学賞あるいはクイーンエリザベス工学賞(英語:Queen Elizabeth Prize for Engineering、別称:QEPrize)は、人類にグローバルな恩恵をもたらす画期的な技術革新を担ったエンジニアに報酬を与え、賞賛する世界的な工学賞である。イギリス女王エリザベス2世の名において、2年に1回、100万ポンドが授与される。
エリザベス女王工学賞は工学的見地から人類に対し著しい貢献をした個人もしくは団体に与えられる。団体は、5人以下の人数制限がある。2011年11月、工学分野のノーベル賞を目指して、デーヴィッド・キャメロン英国首相、ニック・クレッグ副首相、野党のリーダーエド・ミリバンドなど党を超えた議員達によって正式に設立、開始され、2013年3月第1回授賞式が執り行われた。2017年2月現在、BAEシステムズ、BP、グラクソ・スミスクライン、シーメンス、ジャガーランドローバー、タタ・モーターズ、ナショナル・グリッドなどが、日本からはソニー、日産、東芝などの企業が協賛寄贈している。
Wikipedia
とのこと。すこぶる立派な賞なのです。BBCでも冒頭で「Engineeringのノーベル賞」と紹介しています。

佐川眞人氏。大同特殊鋼顧問。
どんな功績なのか?
佐川眞人さんの受賞理由は、最も強力な永久磁石(the strongest permanent magnet)と言われるネオジム磁石(neodymium-iron-boron (Nd-Fe-B) magnet)を発明したこと。
それ以前(1970年代)にも永久磁石は存在しましたが、原料がコバルト等レアアースを使っていてコストが高いのが難点でした。それを佐川氏は鉄等より一般的な素材を使って永久磁石を開発した。それがBreakthroughなのだそうです。
この発明はコンピューターのディスクドライブや自動車の横滑り制御装置等、われわれの日常生活の色々なところに使われている(They are everywhere)とBBCのレポーターが熱く語っています。PCの進化は Nd-Fe-B と伴にあったとも言っています。
実は佐川氏と時と同じくして、しかし全く別に同様の技術をGMのエンジニアが開発しました。過去も佐川氏は色々な賞をもらっていますが、このGMエンジニアと一緒に受賞したことも多かったそうです。しかし、今回は佐川氏のみ。理由は佐川氏だけが低コストで大量に生産する工程まで発案していたからとのことです。
日本での報道は?
BBC Global News Podcastは約30分の番組です。その30分に世界の出来事を選りすぐって放送していて、佐川氏の快挙はそこに選ばれたのです。
朝このニュースを車内で聞いた後、「さて、日本ではどう扱われるかな」と思いました。特に注目していたのはNHKの19時のニュースです。理由は同じ30分番組だから。
同じ30分なら日本人の快挙は放送するでしょと期待していましたが、残念ながら取り上げられませんでした。何なんだよ、日本。
一応NHKではWebのNewsにはなっていました。そのNHKの名誉のために言えば、佐川氏のインタビューは敢行していたようです。BBCには佐川氏のインタビューはなかったので。
- NHKのWebニュース エリザベス女王工学賞に「ネオジム磁石」開発の佐川眞人さん
- BBCのWebニュース Queen Elizabeth Prize for Engineering honours magnet pioneer
50歳代後半の男性会社員です。一時実務翻訳の勉強をしいて、仕事を貰えるレベルにはなりましたが気が変わり方向転換。ブログのテーマも実務翻訳から英語学習全般に変更の方向です。詳しい自己紹介はこちら。
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