いきなりですがこのタイトル、杉田敏の現代ビジネス英語2022年冬号Lesson13 (4)にでてくるフレーズです。付された訳は「大人にとっての職場は、子供たちにとっての学校とおなじです」です。英文聞いて(見て)、多分そんな訳だろうというのは直感的にわかります。それで文章に組み立てについては、「二つの文章で、接続詞のandが無いだけかな」と考えた方もいるかもしれません。つまり、What work is to adults and what school is to kids. かなと。でもそれはちょっと違いそうです。
今回は、この文を文法的に分析してみようと思います。なお、これから書くことはNativeや英語の先生に確認したわけではありません。あくまで私の解釈です。
シンプルな文型から出発
このフレーズですが、以下のシンプルな文章から考えてみます。
Work is something to somebody.
「仕事はsomebodyにとってsomethingである」ですね。説明するまでもないと思います。今回の文ではsomebodyのところにadultsがきているわけです。
Work is something to adults.
そして目的語であるsomethingを倒置します。
Work is to adults something.
倒置発生の理由はあとで説明しまが、ここは解釈ポイントの一つです。このsomethingのところにwhat school is to kidsという名詞節が置かれているわけです。
この名詞節もwhatの後に名詞がきていて、ちょっととっつきにくいです。元の文は”What is school to kids?”(子供にとって学校とは何か?)という疑問文で、それを名詞節とするためisを移動させて平叙文化したと解釈します。疑問文”What is this?”を名詞節化するのに、”What this is”とするのと同じ理屈です。
これでめでたく
Work is to adults what school is to kids.
という文章ができあがりました。
英語のクセ・傾向
ここで元の文章にもどってみます。
Work is something to somebody.
今度は倒置をせず、something、somebodyにそれぞれ節・単語を挿入すると
Work is what school is to kids to adults.
となります。文法的には間違っていません。ただ最後がto kids to adultsとなってしまい、いささかわかりにくく、カッコわるいです。それと何より述部内の内訳を見ると、what school is to kidsが長いくせに文章全体の真ん中に居座り、to adultsは短いのに最後にあります。
英語は文章の前の方には短い句を、後の方には長い句を置きたがるクセがあります。 Work is what school is to kids to adults. で間違ってはいないのに、わざわざ Work is to adults what school is to kids.と倒置しているのはそのあたりが理由と考えられます。
Disclaimer
繰り返しになりすが、上記は私個人の解釈でありいかなるAuthorityからも確認を得ておりません。ご了承ください。
50歳代後半の男性会社員です。一時実務翻訳の勉強をしいて、仕事を貰えるレベルにはなりましたが気が変わり方向転換。ブログのテーマも実務翻訳から英語学習全般に変更の方向です。詳しい自己紹介はこちら。
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