独自メールアドレスを取得

前回の記事で屋号を決めたことを書きました。今回は屋号と表裏一体ともいえる独自ドメイン取得とメールアドレスについて書きたいと思います。

今回の記事はメーラーの設定等に言及している部分があります。多少技術的な要素が絡むことですが、私はエンジニアではないので思いっきり勘違いしている部分があるかもしれません。ご了承ください。

実務翻訳者に独自ドメインは必要か?

フリーランスのメールアドレスについては、たくさんのブログが語っています。大半のアドバイスは、Gmail等のフリーアドレスは非推奨で、独自ドメインによるメールアドレスを作成するよう勧めています。理由としては①Gmail等はセキュリティ上の懸念がある②フリーアドレスだとプロとしての本気度が伝わらないといったところです。

実務翻訳者の場合はどうでしょうか?私が今後お世話になるであろうメディア総合研究所に問い合わせたことはありません。同社の登録翻訳者用エントリーシートでも言及されていません。フリーメールでもOKなのでしょうか?

「翻訳者ディレクトリ」にヒントがみつかりました。FAQにこう書かれています(「なぜ無料のWebメールアカウント(フリーメール)では登録できないのか」という質問への回答)。

誰でも匿名で自由に登録できるWebメールアカウントは便利な反面、匿名性が強いため、ビジネスでの利用には様々な問題点があります。たとえば、身元が不確かであるという印象を与えるため、求人側に敬遠されがちです。同じ理由により、そのようなメールアカウントでの登録が増えると、ディレクトリ全体の価値が低下してしまいます。また、Webメールアカウントでの登録を認めると、悪意のある第三者によって、なりすまし登録をされる危険性があります。(以下省略)

翻訳者ディレクトリより

やはりフリーメールは避けたほうが良さそうです。ちなみに独自ドメインとは言えませんが、翻訳者ディレクトリでは、OCN等プロバイダーのメールアドレス(月数百円かかる)はOKみたいです。

独自ドメインによるメールアドレスの作成

多分一般に普及しているパターン

このパターンは私が取った方法ではありませんが、複数のサイトをみると一般的なパターンのようです。

  1. レンタルサーバーを契約 ー メールサーバーを確保
  2. 独自ドメインを取得 ー xxx@yyyy.com のyyyyの部分
  3. メールアドレスの設定 ー xxx@yyyy.com のxxxの部分 
  4. Gmailと連携 ー お好みで

1-3は大手のドメインレジストラーならワンストップで提供しているようです。xServerとかお名前.comとかですね。1-3の手続きが終われば、そのドメインレジストラーが提供しているWebメーラーで独自アドレスの送受信ができます。

さらに一歩踏み込んで使いなれたGmailで送受信できるようにしようと、4のステップを推奨している先輩方は多いです。特に有料(税込748円/税)サービスであるGoogle Workplace(旧G Suite)を使った連携。

ただしメールアドレスの連携設定には多少手間がかかりそうです。後述しますが私が取ったパターンの方が簡単そうです。

Google経由でも独自ドメインは取れるみたいで、Google Workplaceを使う前提であれば1-4全てのステップをGoogle 内で完了できるみたいです。多分(私自身はやってないので)。

Outlookを使うパターン – Web版 vs デスクトップ版

私はマイクロソフトの365 Personalを契約しています(税込み年12,984円)。365を契約していれば、GoDaddyというドメインレジストラー(お名前.comと同業)で取得した独自ドメインをOutlook.com(web mail)に取り込むことができます。

Web版 Outlook

Web mailであるOutlook.comにアクセスし、右上のダイヤモンドのようなアイコン(プレミアムの管理)をクリックします。

開いたダイアログボックスで「パーソナライズされたメールアドレス」の「始める」をクリックします。

「メールアドレスを独自のものにする」というダイアログが開きます。

「ドメインを取得」をクリックするとGoDaddyのページに飛ぶので、そこで独自ドメインを取得(有料です)します。ドメインを取得したら、またこのダイアログに戻ってきて一番下にある「既にGoDaddyで取得したドメインがあります」をクリックします。

以下のダイアログボックスが開くので、取得したドメインを入力して「検証」をクリックします。

この後、GoDaddyへのサインインを求められるので指示どおりGoDaddyに接続します。下図の入力画面になるので、「メールエイリアス」の部分に使いたい文字を入力します。@以下は独自ドメインになっていますね。

以上で独自ドメインによるメール(パーソナライズされたメールアドレス)の送受信ができるようになりました。

この設定直後だと、Outlookから送信するメールの送信アドレスがxxxx@outlook.comのままになっています。メール作成の都度、独自ドメインを送信アドレスとして選択することもできますが少々面倒です。ディフォルトの送信アドレスを独自ドメインにするには、前述のダイヤモンドアイコン ⇒ メール ⇒ メールを同期、とたどり、「既定の差出人アドレスを設定する」で選定します。

デスクトップ版Outlook

Web版 Outlookの制限

上記で設定したWeb版Outlookではいくつか制限があります。

一つは、独自メールアドレスがマイクロソフトアカウント開設時に設定したアドレスxxxx@outlook.comのエイリアスなので、受信側でスパムと認識されるリスクがあるということ。上記の設定のメールを自分の会社のアドレスに送ったら、受信ボックスには入らず迷惑メールに振り分けられました。メールの設定は詳しくないですが、実際に会社のメーラーにはじかれたので、実態のあるメールアドレスではなく、エイリアスであることが原因だと素人判断しています。

あと一つが差出人の編集に柔軟性がないこと。Outlook.comから送信されるメールの差出人は、どうやらマイクロソフトアカウントの登録名のようなのです。私は差出人は屋号にしたいのです。マイクロソフトアカウントの登録名を屋号にすればいいのでしょうが、さすがに躊躇します。

デスクトップ版Outlookにしてみる

そこで試してみたのはデスクトップ版Outlookです。

デスクトップ版のOutlookを使うには事前にメールアドレスを発行しておく必要があるため、GoDaddyでアドレスを取得しました。私が取得していたドメインはenglish-assist.comなので、zzz@english-assist.comというアドレスをゲット。zzzの部分は自分の苗字にしました。ここからは取得したアドレスのデスクトップ版Outlookへの登録手順です。

Outlookを立ち上げ「ファイル」メニューから、アカウントの追加を選択します。

メールアドレスの入力を求められるので、GoDaddyで作成したメールアドレスを入力して接続をクリック。

GoDaddyへのパスワードを求められたら入力。以上です。あとは自動で設定が完了します。

デスクトップ版のOutlookなら、GoDaddy以外のドメインレジストラーで取得したメールアドレスも搭載できるはずです。ただし、他のサイトの解説を見る限りサーバーアドレスの入力が必要だったり設定は手間がかかりそうです。GoDaddyであればメールアドレスとPWの入力だけです。

デスクトップ版Outlookは、GoDaddy側のウェブメールと同期しています。スマホにOutlookをインストールすればそれとも同期します。

私が実現したかった差出人の屋号化も全然問題ありません。何より、デスクトップ版Outlookを使うメリットは大きいです。普段会社で使っているのもOutlookなので、慣れ親しんでいますし多機能です。

ドメイン&メールアドレスの料金

今回私が支払った料金は以下のとおり。GoDaddyはドル建てなのです。

GoDaddy .comドメイン(1年)$12.17(税込)- 1,352円
GoDaddy メールアドレス(1年)$26.17(税込)- 2,919円

ざっと他のサイトを見てみましたが、ドメインの値段はお名前.comで税込1,408円/年。GoDaddyは悪くないですね。メールアドレスのみの例では、プロバイダーのぷららでひと月220円(税込)。GoDaddyのメールアドレスはひと月あたり250円弱。まぁこんなものかなと思います。

ところで、この記事の前半で独自メールアドレスとGoogle Workspaceの連携について触れましたが、Google Workspaceは年間で税込8,976円/年かかります。GoogleのオフィスSuiteを使いまくるのならまだしも、Word、Excel、PowerPointの利用が中心であれば、Microsoft 356 Personal(税込12,984円/年)を契約してメーラーはOutlookを利用したほうが合理的と思います。

関連リンク

 実務翻訳者としての屋号を決めた

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