翻訳技術についてまとめた書籍で読んでみたくて、2か月ほど前に「英文翻訳術」という本を購入しました。日英だとか英日だとか意識しないで買ったのですが、結果的にその本は英日翻訳が前提のもので、かつ実務翻訳を題材にしたものではありませんでした。
日英翻訳はMRI語学教育センターの通信教育で勉強していましたが、それについてもまとまった情報を一冊の書籍に求めたくなり、表題の本を購入したわけです。

著者は田原利継さん。社団法人日本翻訳連盟の理事も務めたことがある実務翻訳者です。
この本は全114ページと結構スリムです。それなのに60ページから70ページは付録として参考文献の書評、71ページ以降は全て英訳演習問題となっています。では59ページ目までは英訳技術の話かというとそれも微妙で、26ページから59ページは、冠詞の解説、前置詞の解説、及びインターネットの活用法が書かれており、翻訳技術の話という感じではありません。
つまり、翻訳技術について記載されているのはたった25ページまでということです。
だからがっかり、、、ということでは全くありません。この本のおかげで、翻訳っていうのはそういうものだと割り切ることができたような気がするからです。
日英の翻訳では、そのコツなんてものは箇条書きできる程度の分量で、それ以外で必要なのは日本語の理解力それを表現するらめの英作文能力だけ。多分そういうことなんだと思います。だから、結構な数の翻訳者の方が、独学でも翻訳者になれると言っているのではないかと。
ただこれは、一定水準の言語能力のある人は翻訳学校にいかなくても、その手の本でも読んで勉強すれば事足りるという意味で、言語能力が足りなければまずはその能力を向上させることが必須だということは論を待ちません。
話が横にそれてしまいましたが、この本が教えてくれたのは、一冊の本にするほど翻訳のコツは多くはないこと、あとは実際に翻訳をどんどんしてみること(この本の1/3以上は演習問題)ってことですね。
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50歳代後半の男性会社員です。一時実務翻訳の勉強をしいて、仕事を貰えるレベルにはなりましたが気が変わり方向転換。ブログのテーマも実務翻訳から英語学習全般に変更の方向です。詳しい自己紹介はこちら。
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