宝印刷がサイマルインターナショナルを買収

企業のディスクロージャー支援の大手企業であるTAKARA & COMPANYが、通訳・翻訳サービスの大手企業であるサイマル・インターナショナルを買収することを発表しました。株式の譲渡日は3月31日です。

TAKARA & COMPANYは旧宝印刷(株)。2019年12月にグループ再編を行い、 TAKARA & COMPANYを持ち株会社として設立したようですが、まだまだ宝印刷のほうがとおりがいいと思うので、この記事のタイトルも宝印刷と表記しました。

サイマル・インターナショナルは、現在はベネッセホールディングスの子会社です。私的にはベネッセと言えば、自分が中学時代に世話になった進研ゼミ(当時は福武書店)、娘たちが世話になったしまじろうのイメージが強いです。語学学校のベルリッツもベネッセグループです。こう見ると、ベネッセは一般消費者向けのサービスが主力と言えるでしょう。一方で、サイマルは通訳と翻訳を提供している会社ですから、法人向けのサービスです。このあたりがシナジーが生まれにくかった理由のようで、ベネッセの開示資料にも以下のような記載がありました。

サイマルの事業は法人・官公庁向け主体であり売上に占める当社グループ以外からの売上が 9割を超えるなど、当社グループの既存事業とのシナジーは限定的となっております。

2020年3月6日株式会社ベネッセホールディングス 「連結子会社の株式譲渡に伴う特別利益の計上に関するお知らせ 」

宝印刷の方はというと、事業法人のグローバル化で拡大する翻訳ニーズに対応するためのようです。ディスクロージャー書類の翻訳ですよね。直観的にも需要は増えているだろうなと理解できます。人口が減っていく一方の日本に止まっていても先がないですから。

同社の開示資料には、以下のように買収の目的が記載されていました。

当社グループを取り巻く事業環境は、外国人株主の増加やコーポレートガバナンス・コード対応などを背景に、情報開示書類の翻訳ニーズが拡大を続けています。更に、顧客における事業のグローバル化やインバウンド関連ビジネスの拡大を背景に、通訳・翻訳市場は成長を続けており、特に品質の高い翻訳リソースの確保が当社グループの喫緊の経営課題となっています。

2020年3月6日 株式会社TAKARA & COMPANY 「通訳・翻訳事業会社(株式会社サイマル・インターナショナル)の株式取得(完全子会社化)に関するお知らせ」

宝印刷は、2019年2月に翻訳サービスを主力とする(株)十印を完全子会社化しています。それからわずか1年ちょっとでサイマルの買収に踏み切りました。 十印だけでは需要が賄えないということですね。開示資料によるとサイマルの売り上げは2017/3月43億円、 2018/3月44億円、2019/3月51億円と順調に伸びています。同社は通訳サービスの草分けなので、結構な割合が通訳によるものだとは思いますが、絶対額で50億円以上の売り上げがあることから翻訳会社としても大手なのではないでしょうか、、、多分。何を言いたいかというと、こんな大手を買収するくらいだから、ディスクロージャーの翻訳ニーズはホント伸びているんだろうなぁということです。

今、翻訳の勉強をしていますが手掛けてみたい分野としては、企業のディスクロージャーも念頭にあります。これまでの会社員人生のキャリアから、財務・会計・金融系に進もうと思っていて、ディスクロージャーは証券市場の機能の一部と理解しているからです。ただし、業種毎の専門領域の説明が開示内容に含まれると思うので、いろいろ勉強が必要だと思っています。引き続き頑張ります。

TAKARA & COMPANY開示書類

ベネッセホールディングス開示書類

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